今回レビューする『Abel Meri』というラッパー。
恐らく日本のほとんどの人が知らないであろうと思う。
かくいう私も最近知って好きになったラッパーの1人で、これからさらに深く知っていこうと思っている段階である。
なぜ知名度がそこまで高くないのか?
それはSound Cloudでの活動を中心にしており、マス向けに発信をしてきていないからだと推測できる。
しかし、2016年から活動をスタートし、自身のウェブサイトでは実に20枚ものアルバムをリリースしている。
さらにそれらの殆どがYouTubeでは聴くことが出来ない。
そういった異端な ”スタイル” も個人的には好きなのだが、特に気に入った要因をいくつか紹介しよう。
①起業家であり、彼自身CEOとしてビジネスをしていること
②36歳という年齢からラップの活動を始めたということ
③社会的、政治的なリリックで世の中に物申していくスタイルであること
④HIPHOP特有の冒涜的な言葉を自身の音楽では一切使わないということ
以上の4つに私は特に惹かれた。
皆さんはこれを聞いてどう感じるだろうか?
紹介させていただく ”Think About” はBPM80にも満たないスローめなビートにシンプルな上ネタが乗っているだけの刺激の多い現代では少し物足りないと感じる方も多いかもしれない。
しかし、ライミング然り、ビートアプローチ然り、まるで90’sを彷彿とさせるかのようなラップがまた好印象を受ける。
それもそのはず、彼が影響を受けたアーティストはNas、Jay-Z、Biggie、2pacだと本人が公言しているくらいだからだ。
味わい深いアーティストであることは間違いなさそうだが、なにぶん情報がない。
これからリリックも含めて彼の世界観を楽しんでいきたいと思う。