昔、またフレッシュでイケてるラッパーが出てきたなと思ったのを覚えている。
あれから10年が経ったらしい。
これはAK THE SAVIORとIssa Goldの二人によって形成されたThe UnderachieversというHIPHOPデュオの話だ。
そして今回はその片割れとなるAK THE SAVIORのレビューをしたいと思う。
ニューヨークのブルックリン出身ということで、いい時代のイーストコーストの先輩方に影響を受けたということもあり、しっかりと硬い韻を踏むタイプと思えば、流れるようなフローも印象的なAK。
しかし、彼の一番の特徴であり武器はその ”声” にあるように感じる。
厚めのハスキーボイスかと思えば柔らかく、流暢に発せられるラップがHIPHOPと相性が良い。
今回の “Times Change” でもその様を楽しむことができる。
まるで舞い上がっては消える煙が浮遊しているかのような上音に、つまずき気味な変則ビートだが、見事にラップがグルーヴを作り出している。
正直いくつもオススメしたい曲がある中で、今回この曲を選んだ理由として彼の曲の中でも「韻」「フロー」が特にハイレベルで、もはや芸術(アート)のような印象が残っていた為チョイスさせて頂いた。
タイトルは “Times Change” 。時間の変化という意味だろうか。
リリースから9年が経った。
時代は変わっても変わらずカッコイイと思えるモノを作れるのってとても素敵なことだと思う。
しかし、時代と共に変わっていかなければいけないこともたくさんある。
時代のスピードがどんどん速くなっていく中で、置いていかれるわけにはいかないのだ。
「自分らは変わらないけど、あいつは変わっちまった」
そんな風に言われることもあります。
けれど、そんな時はこう言ってやるんだ。
「変わってねーよ。変わること変わらずに続けてんだ」
ってな。
これからもHIPHOPは進化していく。
そんなHIPHOPと共に私自身も時間をかけて変化していきたい。