USにも引けを取らないぐらいUKでもDrillの勢いが凄まじい。
その代表的な一人としてCentral Ceeを挙げられるのではないかと思う。
とはいえ、Central Ceeは自身のリリースとしては2020年が最初でまだ2年ほどしか活動されていない。
なぜここまで注目を浴びるようになったのか。
個人的には彼が起用するBeatも一役買っていると感じる。
今回レビューする” Retail Therapy “のビートメーカーは東アフリカに位置するエチオピアの『2legitjay』が制作している。
Kodak BlackやLil Dunkなど人気ラッパーへのトラック提供もしている新鋭ビートメーカーだ。
Central Ceeの” Retail Therapy “は一度聴いた瞬間から惹きつけられるイントロの掴みが強烈なのだが、これはジャズサックス奏者のHank Crawfordの” Wildflower “を倍速でサンプリングしている。
元ネタがJAZZなので静けさのある音を、Drillお馴染みの謂わば暴力的な重低音のベースが飲み込んでいく。
これが非常に気持ちよくある種「クセ」になってしまう。
例えるならば、「真冬に部屋を暖めてアイスを食べる」といった、逆張りの美学のような気持ち良さがココにもある。
Central CeeのラップはUSのように強く主張するものはなく、楽しみながらビートにノっているといった印象で、比較的玄人の耳でなくても聴き入れやすいのではないかと思う。
それはYouTbeのチャンネル登録者数が再生回数862万(2022年3月時点)であることからも証明されている。
いわゆるバズりまくっている楽曲と言えるだろう。
個人的にはMVでもわかるように大のスニーカーや洋服好きで、リリックにもあるように
”ウォークインクローゼットがまるでストックルームのようだ。
これを見た母親に「この物質主義者が」と言われた。”
というエピソードが面白いと感じた。
昔に私も近しいことを言われたことがあったなと(笑)
Drillはトラックに左右される要素が多い分、無名のラッパーが突如話題になることもあるジャンルでもある。
引き続きアンテナを張ってGOOD MUSICをキャッチできるようにして、また惹きつけられる楽曲があればレビューしていこうと思う。