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Dr. Dre (feat. Snoop Dogg) – Still D.R.E.

Dr. Dre (feat. Snoop Dogg) - Still D.R.E.

90年代のHIPHOPをレビューする際にこの曲を通らないことは不可避であり、もはや説明不要だとは思うが挑まなければならない、そんな気持ちで執筆している。

全世界の全員が納得せざるを得ない、クラシック殿堂入り歴代1位の王者に君臨し続けるHIPHOP。
Dr. Dre feat. Snoop Doggの ”Still D.R.E” をレビューしていく。


YouTubeでは10億回以上の再生回数となっていることもそうですし、先日のスーパーボウルのHalftime Showの大トリを飾ったりしていることから地球上の10人に1人が耳にしたことがあると言っても、ワンチャン過言ではないのかもしれない。


ド頭から8分のリズムに刻まれる印象的な鍵盤音、心地のいいベースラインとハーモライズされたストリングス、極めつけにはまるでカリフォルニアの気候のようにカラった乾いたドラムがそれぞれの均衡を保ちながら奇跡的なバランスで重なり合い、極上のグルーヴを生んでいる。

当時のトラックの主流であったMPCを使った制作方法で、人がPATを叩くことで現代のDTMでは再現できない僅かな”ズレ”が90’sの人間らしさの残ったグルーヴを作っているとも言われていたがこの曲でもまさにである。


そんなビートの上に乗るドレーのラップはその特徴を一言でいえば『ドライブ感』に尽きると感じる。
決して早口なわけでもないが、前のめりにさせるラップが体の揺れをさらに大きくする。
一方、スヌープドッグのラップは対照的である意味気の抜けたと言っていいのか、ご存じの通り独特で唯一無二なデリバリーの声が、これまた他を邪魔しないのだ。
まるでお茶漬けの合間に端を伸ばす漬物(失礼?)のように、何度でもメインを輝かせる。


MVはというとザ・ウェッサイと言わんばかりのゴリゴリのアメ車がひたすらバウンスを繰り返し、さらにギャル(オン・ザ・ビーチ)と言うシチュエーションで解放感全開で、ある種のCHILL感すらも感じられるのだが、皆さんはどうだろうか。
ちなみにファーストアルバムがリリースしたくらいの時期のフレッシュなEMINEMもギャルを追いかけて登場する。


当時ウェッサイのシーンを牽引するDr.DREの卓越したセンスに時代の後押しもあって、ここまでのヒップホップ・クラシックとして語り継がれるとは本人ですら予想打にしなかっただろう。

今に至るまでトッププロデューサーとして君臨するドレーの間違いなくブレイクポイントとなった本作は、約23年経った今でも人々を魅了し続け、そしてそれはこれからも語り継がれていくことと思う。


ジジイになってもStill D.R.Eを聴いているかもしれない。
想像すると笑えるが、現実にそうなっている可能性も十分にある。

そんな風に思える音楽に出会えていること自体、とんでもなく幸せなことなのかもしれない。

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