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Grandmaster Caz – South Bronx Subway Rap

Grandmaster Caz - South Bronx Subway Rap

オールドスクールのレビューを始める際にまずはここから話すべきだろうと考えていた。

1980年代初頭にHIPHOP発祥の地となる当時のブルックリンを丸ごとパックしたような映画。それが『WILD STYLE』だ。
これが初めて世の中にHIPHOPとは何たるかを定義づけられ「DJ」「ラップ」「ブレイクダンス」「グラフィティ」の4大要素を打ち出した瞬間でもある。

中でもグラフィティ文化を基軸に映像に残されており、至る所に若者が警察の目を盗んでスプレーでタギングしていく。
その活動は壁はもちろん、電車の車両にまで及び社会へのアンチテーゼ、もしくは自己表現をしていたのだろう。
その印象的なシーンで使われていた音楽が今回レビューさせて頂く”Grandmaster Caz”の「South Bronx Subway Rap」なのだ。


この上なくシンプルなビートでハイハットのみ16分で刻まれているだけなのだが、印象的なフレーズと露骨なベースにカウベルが乗り、現代となってはこのチープさが記憶に残る。

そしてラップに関しては、まだ ”歌” 以外が音に乗っかるということがほとんど無かったわけなので、韻を意識的に踏むこと自体がフレッシュな時代であったはずだ。
それ故に無駄な装飾は一切ない。
当時、差別やギャング文化の背景からGHETTO感の強い時代のフラストレーションをストレートにリリックにしたラップは若者には脳震盪を起こさせるくらいの衝撃があったと思う。


ここまでHIPHOPが巨大になった昨今に、今更歴史から学べとは言わないがオープンチャットで度々「HIPHOPとは何か?」と議論になるが、そういった方にはまず一度この映画も観てみると一つの解が見えてくるのでは無いだろうか(笑)

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