今回は彼もまた、ウェッサイの重鎮と呼んでも過言ではないラッパー『Ice Cube』をレビューしていこうと思う。
そもそも彼自身がラッパーの道へと進んだキッカケは高校生時代にある。
学業での成績も良く、高校後の進路を決める際に友達に
Ice Cube 「俺、大学に行こうと思っているんだ」
と相談した際に、
友人 「はい?お前大学行くの?www
言っとくけどお前の顔、どうみてもラッパー顔だよw
絶対ラッパーになった方がいいってwww」
と言われてしまい、結局大学には入学するものの即退学。
本格的にラッパーとしての活動をスタートさせていった。
そこでまず最初に結成されたのが、Dr.Dre率いる ”N.W.A.” なのだ。
その後、3年後には脱退してしまうのだが、ソロとしての実力も開花し、なんと俳優としても活躍をし始める。
強面だがインテリジェンスな一面があり、クシの刺さったキャッチーなアフロヘアーがキャストとしては貴重な存在であったのだろう。(演技が評価されているかは不明)
そうこうして2本の映画出演をこなしながらも、1年に1枚というハイペースでアルバムをリリースしていき1993年、4枚目のLPとなる『Lethal Injection』の先行シングルとしてリリースされたのが今回の ”You Know How We Do It” となる。
この曲にはウェッサイ特有のあの ピ〜ヒョロ〜 サウンドも入ったトラックになるのだが、このリリースの前年に巨匠 Dr.Dre の1stアルバム『The Chronic』が大ブレイクしており、当時この曲は「ドレーのパクリだ!」と批難にあっていた。
しかし、私は当時大阪にいた時に『KING KONG (レコードショップ)』でこのレコードを手に入れ、大阪の狭い部屋で夜のカリフォルニア気分になって毎日聴いていた。
なので、Ice Cubeと言ったらコレ!というわけなのだ。
Ice Cubeの聴きやすい発声やタイトなライミングがカラッとしたカリフォルニアにマッチしているように思う(行ったことなし)
歌うようなベースラインも非常に心地が良い。
上で挙げた ピ〜ヒョロ〜 サウンドの正体は『Kool & the Gang』の ”Summer Madness” のサンプリングになるのだが、今となってはもうWest Side市場では代名詞的な音色として当たり前にさえなっている。
プロデューサーは2PacやLL Cool Jなども手がけた実績のある『QD III』という男でクインシー・ジョーンズの息子らしいが、詳しくは知らない。
この時代の温かみのあるシンプルなトラックにシンプルなラップはやはり今になっても心をジワリと揺さぶってくれる。
音楽が当時の風に吹かせて思い出を蘇らせてくれることは皆さんにもよくあることと思う。
私にとってこの曲はそんな1曲と言えるだろう。