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ILL BILL (feat. LORD GOAT) – ONCE UPON A TIME IN CANARSIE

ILL BILL (feat. LORD GOAT)- ONCE UPON A TIME IN CANARSIE

ILL BILLは活動歴36年の今年で50歳を迎える大御所ラッパーになる。
MC Serch、Non Phixion、DJ Eclipse、Goretexなど、ILL BILLの経歴を追うと90’sを駆け抜けた胸熱なアーティストが盛りだくさん出てきてしまう。

そんな中でも一番インパクトがあるのは兄があの “NECRO” だということ。
どう考えたってヤバすぎる兄弟。

これこそ「親の顔が見てみたい」(笑)


スネアやハイハットが装飾に感じるようなぶっといバスドラを主軸にしたビートに
高域の鍵盤を交互に連打したようなサウンドが、まー見事にいわゆるゴールデンエイジ呼ばれる世代まで飛ばしてくれる。

こういう楽曲を聴くとやはり ”シンプル” ということの強さを感じる。

そして何と言ってもこれだけの太いビートを具合良く乗りこなすファットなILL BILLのラップがイケている。
聴いてみると50歳の概念が壊れるのではないだろうか?
どこか若さも評価材料になっている日本のHIPHOPシーンから異色であるように思う。
(日本でアラフィフの現役ラッパーっていただろうか?)

ラップもトラックに引けを取らないほどシンプルでギミックなしの直球ストレート。
今の時代、逆にそれが輝きを見せるのかもしれない。

古いVHSの色褪せたフィルム感や劣化して映りこむノイズのような加工が、フラッシュバックさせる確信犯的なMVになっている。


90’sサウンドからHIPHOPにハマったので、私自身、実に好きなサウンドではある。
しかし、90’sサウンドばかりを追うようなことはしない。
なぜならそれを追っていった先は過去にしか行き着かないから。

だけど、”知っていない” と言うのは話が別で、Trapサウンドから入ったHIPHOPリスナーは是非一度そのあたりの文化には触れてみると良いのではないかと思う。

『古きを尋ね、新しきを知る』なんて言葉がありますが、結局最後は歴史を次に繋げた人が勝つ。
その為に過去も知らないといけないよね、と私は考えていたりします。

このHIPHOP REVIEW BASEMENTでも年代別にレビュアーおすすめの楽曲がありますので、知らない曲があれば色々掘ってみてください!

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