Snoop Dogg – Who Am I (What’s My Name)?

今回もWESTSIDEのヒップホップの重鎮の1人でもあるラッパー、Snoop Doggをレビューしていく。


皆さんはスヌープドッグにどんな印象をお持ちだろうか？
細い編み込みヘアー、ペイズリー柄のファッション、犬顔。
どれも正解だろう。

私が真っ先に思い浮かぶのはこの鼻にかかったような粘りっこい声質だ。
そして、この声がウェッサイのカラッとしたトラックと妙に相性が良いように思う。
中でもウィスパーボイス的な発声でするラップが個人的には耳触りも良く、どの楽曲でも良いスパイスになっていると感じる。

そして、今回レビューさせて頂く楽曲でもそれらのラップを堪能することができる。
その曲とは、最近自身がオーナーになったDeath Row Recordsから1993年にリリースした1stアルバム『Doggystyle』からのリード曲”Who Am I (What’s My Name)?”だ。


この楽曲のプロデューサーはもちろん兄貴分のDr.Dreが制作をしており、
ウェッサイ特有のシンセ音もしっかりと入っている。
何よりもすごいのがGeorge Clintonの”Atomic Dog”を丸ごとサンプリングしている点にある。
ビートの大ネタ使いはもちろん、フックのメロディも元ネタとなっているのだが、「Atomic Dog」というタイトルにまでかかっている遊び心は、ドレの悪ノリとも思えてなかなか面白い。

ブリブリのベースにクラップ混じりのスネアが爽快感を際立たせている。
それに乗っかるラップに注目してみると、想像以上にラップのスキルが高いことがわかる。聞き取りやすく、早口なラップまで対応している。
キャラが先行しまいがちだが、決してイロモノではないということだ。


ちなみにMVでは、なんと自らドーベルマンに変身するシーンがあるのだが、変身前と後ではどちらがスヌープなのか見分けがつかなくなるほど似ている。


米国ではT V番組や映画などにも出演しており、ギャングから国民的ヒップホップアイコンにまでなり活躍している。
今後、渋みがかったSnoop Doggにはまだまだ注目していきたい。