Yaw TogはガーナのKumasiに拠点を置くアーティスト。
彼はBrooklyn Drillから強い影響を受けたAsakaaというジャンルをガーナ国内外問わず広く知らしめた人物とも言われている。
彼のルーツやガーナのKumasiにおけるシーンを理解するにはKumericaというスラングについてよく知る必要がある。
Kumericaとは都市のAccraに次いで二番目の経済規模を誇る都市であるKumasiとAmericaをつなぎ合わせた鞄語であり、高級車やジュエリーをFlexし、ハイブランドの服を主とするDrip Fashionをする現在のアメリカの黒人のライフスタイルに強い影響を受けた若者が総じて呼んでいるKumasiの別称である。
この単語自体は同じ国内のラッパーBlaq Foreignerがつい5年前に言い始めたものとされているが、ガーナヒップホップの父であるReggie RockstoneもKumasi出身であるように約30年前からその地域に住む人の多くはアメリカ文化に触発されてきたらしい。
そこで育った当時17歳のYaw Togも必然的にその影響を受けていた。
そんな彼はある日地元の溜まり場でYoutube上に載っていたChris RichのUK/NY Drill Type Beatを流していたところ、後にHookとなる「Yεbε sore~(俺ら成り上がるぞという意味)」というフレーズを思いつき速攻スタジオで完成したという。
すんなり出来た曲ではあるもののMVを公開するやいなや数日で世界的に大バズりし、結果的にはVic Mensa(未リリース)やStormzyがRemixを公開するという凄い事態になった。
それから1年半経った今もNYでのライブや英国で人気のヒップホップラジオTim Westwoodに出演するなどその勢いを落とすことなく活動している。
ガーナの最大都市Accraは政府機関やテレビ局が集まりインフラ整備やビルの開発などが著しいのに対して、規模的に劣ってるように見えるKumasiに生まれ育った人たちは、Kumasiに住んでいることやKumasiから来たと口に出すことが恥ずかしいとされる国民感情が存在していた。(Noiseyの動画参照)
だがYaw Togを始めとする若手のAsakaa Rapper達が高らかに自分たちはKumerica出身だと言うことでそれが変わりつつあるというのだ。
Accraを超え、アフリカを超え、世界を股にかけるYaw Tog並びにKumericaに今後も注目だ。